正しい譜面の選び方とは ①

皆様こんばんは!
Producing office SOLEIL杉山薫です。
なかなかColumn更新が出来ずに申し訳ございません。

今日は、私がレッスンを行う中で
感じることが多い、「正しい譜面の選び方」について
お話をして行きたいと思います。

譜面は、音楽を演奏する上でのガイドライン

当たり前と言えば当たり前のことですが、実は意外と
譜面を、ガイドラインではなく「正解」だと認識してしまっている人が
多いのです。
(一部例外として譜面が正解なものもありますが、それは後ほど別途解説します)

図1 楽譜で記載できる範囲

図1は、私が考える、現代における譜面の役割を図式化したものです。
十字がちょうど交わっているところをご覧ください。

私は、譜面が持つ役割の分岐点として、

① 録音機器が発明される前に書かれた譜面かどうか
② 作曲家自身が書いた譜面かどうか

この2つの点に着目しました。

作曲家自身が書いた譜面が正しいと言うことは、敢えて言うまでも無いことですが
実はこれも重要なポイントですので、後ほど解説します。

録音機器が発明される前の時代の譜面と言うのは
いわゆるJ.Sバッハ、モーツァルト、ベートーヴェン
と言ったクラシック音楽の譜面を指します。

現代でもこれらの作曲家の楽曲の演奏に取り組む人は多いですが、
練習をしていくと、必ず曲の解釈について疑問を持ったり、壁にぶつかることがあります。
そんな時、作曲家自身に意見を求めても、バッハもモーツァルトもベートーヴェンも
残念ながら存命していないため、質問をすることが出来ません。
当時の演奏音源も当然ありませんので、作曲家自身がどんな演奏をしたのか、
作曲家自身が指導した演奏家がどんな演奏をしたのかも、勿論聴くことが出来ません。

クラシック音楽の楽曲は現代では芸術音楽とされ、たくさんの研究者達が議論を重ねた
見解が出ていますので、そうした文献を読むか、あるいは他の演奏家の音源を聴いて
参考にするなどして、最終的には自分で判断をすることになるのですが、その中でも
譜面と言うのは、故人である作曲家が残した唯一の手がかりなのです。
そのため、クラシック音楽、中でも録音機器が発明される前の時代に書かれた譜面と言うのは、
作品解釈をする上での「最終的な手がかり」なのです。

現代でも国内外問わず色んな出版社がクラシック音楽の譜面を出版していますが、
本格的にその作品と向き合うならば、原典版と呼ばれる、作曲家自身が書いた内容のみ
が書かれている譜面が良いと言われています。

それに対して現代の音楽、
ポピュラー音楽の譜面はクラシック音楽の譜面と何が違うのでしょうか?
次の記事で解説をしていきます。

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