コンサート業界について②

皆様こんばんは!Producing office SOLEIL杉山薫です。
前回のコラムに引き続き、コンサート業界についてお話を進めて行きます。

過去の記事はこちら
コンサート業界について①

 

コンサート制作 とは何か?

もう一度前回の記事で使用した図2、図3を見てみましょう。

 

図2

 

図3

 

コンサートの現場はアーティストの他にも色んな職種の人たちが関わり、
ひとつの公演を作りあげるのですが
コンサート制作と言うポジションは、舞台監督や照明などのスタッフに比べると
何をしているのかが分かりにくい職種のため、少し解説をします。

 

コンサートにおけるマネジメント担当、それが制作

アーティストにはスケジュールの管理や育成、営業を行うマネージャーがついていますが、
コンサート制作とは、コンサートをタレントに置き換えた場合のマネージャーにあたります。
芸能プロダクションは、自社のアーティストを成功させるため、様々なプロモーションを立案し、
アーティストが成功するために必要なスタッフの発注を行いますが、
まさにコンサート制作も、担当したコンサートを成功させるために
予算的なことも含め何をすればよいのか手順を考え、
必要に応じてコンサートを助けてくれる舞台監督、照明等のスタッフの発注を行います。
更にどのように告知をすればチケットが完売出来るか、券売やプロモーションのプランを考え、
リハーサルを行い、無事に公演が終わったあとは収益の報告、精算作業を行う、
これがコンサート制作担当の仕事です。
先程私はコンサート制作とはコンサートをタレントに置き換えた場合のマネージャー、
と書きましたが、
ツアーパンフレットのスタッフクレジットを見ますと、コンサート制作担当のことを、
「Tour Manager」と記載しているのもそのためです。

 

コンサート制作担当はコンサートにおける全ての発注元

多少の例外はあるにせよ、コンサート制作担当は、
コンサートを行うために必要なヒト・モノの全ての手配を行います。
一般的に考えられるコンサートを行うために必要なヒト・モノを考えてみましょう。

 

一般的な有料コンサートを行うために必要なもの

無いとコンサートが成立しないもの
① 会場(PA、照明機材含む)
② チケット(券面、デジタル)

規模の大小に関わらずほぼ必要なもの
③リハーサル会場
④ PA、照明スタッフ
⑤ 楽器、衣装、物販などを運ぶ車(機材車)

遠征公演の際に必要になるもの
⑥足枕(新幹線や飛行機の乗車チケット、ホテル)

規模の大きな公演(1000人以上)になると必要になる可能性があるもの
⑦舞台監督、大道具、映像、特効、トランポ、ヘアメイク、衣装、物販等のスタッフ
⑧ ケータリング
⑨ プロモーション

ざっと挙げてみましたが、例えば⑤の楽器、衣装、物販などを運ぶ車(機材車) と言うのは
トランポと言う運搬のプロがいますが、トランポがツアースタッフに入るようになるのは
2tトラック以上の大型車が必要になるほどの荷物がある公演が大半で、
ワンボックスカー1台で積み込みが出来る程度の量であれば、⑤の仕事は制作担当が行います。
同じように、各セクションのプロを発注すると当然その分の人件費がかかりますから、
プロを雇うだけの人件費の予算を組めない時はコンサート制作が舞台監督、トランポ等の
セクションを兼任することになりますし、一行人数が多くなれば、
遠征になった時の移動チケットや宿泊先も旅行代理店もしくは
代理店と同等の業務が出来る会社に依頼することもありますが、
少人数の場合は仮に遠征をしたとしても制作担当が発注します。

つまりは、コンサート制作に携わるスタッフの大半は、
制作担当だけの手に負えなくなった状態になって、初めて仕事が成立します。
ただしPAと照明だけは専門的な知識が必要で、なおかつライブハウスで行う場合は
使わないとコンサートが成立しないため、
アマチュアの演奏者であってもサポートが受けられるよう、
「小屋付き」と呼ばれるそのライブハウス専属のスタッフがいるのです。

 

コンサート制作担当に必要なスキルは人脈と総合力

このような実態のため、コンサート制作担当に求められる能力は一芸に秀でていることよりも
各プロフェッショナルの職人達とのコネクションであったり、プロに発注が出来ない時に
自身が代行出来るだけのスキル、知識になります。
また、予算管理こそ制作が行う専門領域になりますので、
1円単位で経費の必要有無を判断し、利益を作り出すことが求められるのです。

 

次の回ではコンサートの企画立案から精算までの流れについてお伝えします。

 

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