議事録とキャリアアップの関係性について②

皆様こんばんは!Producing office SOLEIL杉山薫です。
2021年の業務の中でやり残しになってしまった、
議事録とキャリアアップの関係性についてのColumn、2回め。
1回めを書いてからだいぶ期間が空いてしまいましたが、
やっと時間を作れたので、書きたいと思います。
※記事を投稿するまで時間を要したため、載せている画像の作成日付が投稿日とは異なります、
ご了承ください

前回のColumnはこちら
議事録とキャリアアップの関係性について①

 

議事録の書き方に正解は無い

議事録係のプロフェッショナルを目指している人、と言うのは正直あまりいないかなと思います。
私自身もコンサル業界の仕事を始めてからは特に、議事録係の仕事から一刻も早く脱却したくて、
でも、どこの現場に行っても議事録作成と言う業務はまるで私の後をついて回るかのように
立ちはだかってきました。いくつかの現場では議事録作成の業務ばかり求められて、
自分の中で嫌気がさしてしまったこともあります。

アシスタントではなく担当者として現場に入れるようになってからは、ある程度
自分の裁量で書けるようになったので多少ストレスが減ったものの
それでも、議事録作成が好きか嫌いかで言うなら、嫌いです。

そんな、ありとあらゆる現場で議事録を書いてきた私ですが、
中にはフォーマットや書き方にも指定がある現場もあるものの、
大半は、会議の要点が分かれば書き方自体は特に問われないことが多いです。

また、議事録に限った話でもないですが、皆に展開する前に上司のレビューを受ける場合
指摘される内容は、そのレビュアーである上司の好み、センスによるところも大きいです。

議事録を書く上で押さえておくポイントを箇条書きですがまとめました。

 

議事録を作成する目的は大きく分けて2つあります。

・会議で話し合われた内容、発言の記録を残す
・とりわけ上層部で会議に参加出来なかった人に、要点を伝える

この2つの要件が満たされていれば、書類完成までに至るプロセスは問われないからこそ
書き手の力量、センスが浮き彫りにもなります。

中でも上の図に記載した項目のうち、⑤の読み手が理解できる書き方、要約すると言うこと
これが意外と難しいのです。

私が思うに、会議内容を要約して議事録を作成するのが難しい理由は、
これも大きく分けると2つあります。

ひとつは、自分自身のプロジェクト内容の理解度が問われるため。
日本語で話し合われている会議だから聞き取れるでしょ、と言うのは間違いです。
本来はプロジェクトのことを全般的に理解している責任者が書くのが相応しいのですが
そうした立場の人は忙しくて議事録作成まで手間をかけられません。
そのため、割と下っ端、歴の浅いメンバーが記録員として作成することになりますが
一般的な言葉と固有名詞(そのプロジェクトのみで使用されている略語等)の識別や
なぜ問題が発生しているのか、解決案は何か、期日はいつまでなのか、メンバーの温度感などを
把握していない状態では、日本語自体は聞こえても、要点を把握するのは大変です。

そしてもう1つ。

議事録は文字だけで完成させなければいけない と言う制約。
(図や表を用いて表現することが出来ない)

これがネックになることが多いです。
私も本当にすべてを任せてくださるクライアントの現場では
明らかに文字だけでは要点を伝えられず、表や図で表した方が良いと判断した際は
一部図式化して議事録展開することもありますが、それは稀であって
大抵の現場では、そのままテキストベースでメール展開したりするので
まず、表や図と言うものは使いません。

ですが、この「文字だけを使って要点をまとめる」と言う作業こそが
キャリアアップに向けた訓練になるのです。

 

3次元での可視化スキルを身につけるために、まずは2次元での可視化を

前回のColumn、議事録とキャリアアップの関係性について①
の中で、現場で求められるスキルと単価 と言う表に書いた提案書や報告書と言うものは
いずれもPowerPointで文字と図の両方を使って作成する資料です。
タイムリーな話題ですと、今日(2022/7/3)、KDDIの通信障害についての会見を見ていましたが
まさにその会見で説明に使用した、今回の通信障害の原因を可視化した資料がまさに
図や矢印などを使った、いわゆる報告書の資料でした。
You Tubeのリンクを貼りますので、これを見ていただくのが分かりやすいと思います。


(冒頭は開始待ちのため、実際に会見が始まる26:00ごろから見られるリンクにしています)

おそらくこの資料を作成した人は、本当に不眠不休で作ったのでしょう。
1日あるか無いかの時間で、これだけの大規模障害状況を把握し、図式化して
かつ1枚のスライドに要点をまとめる作業は並大抵のことではなく、
日頃からこうした「要点を把握して図と文字と両方を使って可視化する」訓練を
している人でないと出来ません。
もし、この会見で投影された資料が全部「日本語の文字だけ」で説明したらどうでしょうか?
内容はスライドの2割~3割しか伝わらないでしょう。

そして、当然スキルとしては文字だけで概要を伝えるより、この会見で投影されたような
図と文字と両方を使って可視化する方が難しいです。
もう1度スキルと単価を記載した表を見てみましょう。

 

PowerPointで作成するような提案書や報告書の方が議事録よりも単価が高い理由は
文字だけ(2次元、白黒のみ)ではなく3次元(文字+色、形)で表現して、
読み手がひと目みただけで誤解せず理解出来るものが求められているからなのです。

ですが、そうしたスキルは1日2日で身につくものではないので
まずは、文字だけで要点をまとめて可視化出来るようにする、これこそが議事録作成なのです。

KDDI記者会見でのスライドを作った人は、議事録もとても良いものを書けることでしょう。

ですので、オフィスワークでキャリアアップを目指す人は
ぜひ、面倒でも会議の議事録をたくさん書いて、基礎を固めてください。
そうした訓練はきっと役に立つ時が来ます。

最後に、おまけとしてもう1つ、3次元で伝えることのメリットを書きます。

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