皆様こんばんは。Producing office SOLEIL杉山薫です。
原稿はある程度昨年のうちから作っていたのですが
すっかりアップが遅くなり申し訳ございません。
気づけば年も明けてしまいました。
今年の抱負、ご挨拶については
Profileページを更新しましたので、そちらに替えさせていただきます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
さて、楽曲がヒットする理由についてのColumnですが、
内容に入る前に、調べ物をしていたら興味深い資料を
見つけましたので、リンク共有させていただきます。
日本のレコード産業2019
https://www.riaj.or.jp/f/pdf/issue/industry/RIAJ2019.pdf
2019年だけでなく2018年のものもざっと探した時点でもありました。
音楽業界の動向について分かる貴重な資料です。
ポピュラー音楽の世界で生きることを望む人は
ぜひ目を通してください。
それでは、本題に入ります。
前回の記事はこちら
楽曲がヒットする理由について①
多くの人に聴いてもらえないことには、ヒットは無い
当たり前なのですが、ヒットするとは
100万人なら100万人単位の、多くの人がその曲を聴いて、その曲が良いと思って
楽曲を購入してくれることを、ヒットする、売れる、と言います。
最近は握手券との抱合せ販売や、You Tubeなどの動画サイト、
ストリーミングでのシャッフルなど、音楽の聴き方も多様化してきたため
CDの販売枚数だけでは曲の認知度を図ることが出来なくなってしまいましたが
基本は、売れた曲と言うのはそれだけ多くの人が耳にして
良い評価をした曲だと言うことになります。
この、多くの人に聴いてもらい、
曲の価値をジャッジする紛いにかけてもらう
と言うことが、ヒットするための絶対条件であり、
多くの人の耳で実際に楽曲の価値を判断してもらうと言う
作業まで持っていくことが、ヒットを起こす上で最も難しいことなのです。
世の中たくさんのアーティスト、楽曲がありますが
大半の曲は世間に知られていません。
また、良い楽曲を作っても楽曲の価値とセールスが
比例しないアーティストもたくさんいますが
そうした、いわゆる日の目を見れない楽曲の大半が
何らかの形で、作品を大多数の人に聴いてもらう機会を得られていない
ことが理由として挙げられます。
ざっくりですが、私達が楽曲を知る主なキッカケと
ユーザーが楽曲を評価する際の項目をまとめてみました。
図1
人が曲に興味を持ち、実際に曲を耳にするまでのプロセス
私達は普段、何気なく音楽を聴いていますが、実は
実際に楽曲を耳にすると言うことは
大多数の選択肢の中から選んだ上で、取っている行動なのです。
図1の表を見ても分かる通り、私達が日頃楽曲を知るキッカケの大半が
楽曲を作った側の人が発信している情報になります。
大半はマスメディアを通して曲を知ることが多いですが、
メディアも楽曲を制作した側が依頼してプロモーションをしたものと
考えれば、メディアを通して耳にすることも
制作側が発信した情報のうちのひとつに反応している
と言うことになります。
もうひとつ資料を作ってみましたので見てください。
図2
私達が楽曲を実際に聴くまでにはこのような4つのステップがあり
楽曲について興味関心を引けなかった場合は、
曲を実際に聴いてもらう前に、NOの答えを出されてしまいます。
具体的には
STEP1は個人レベルで出来るものなら口コミやSNS、
メディア発信のものは雑誌やウェブ媒体の記事などです。
STEP2は
You Tubeなどの動画配信サイトが該当します。
中には自動再生もありますが、You Tubeの場合
各動画のサイトにアクセスしても、
本当にその動画を見たい、聴きたいと思わなければ
再生ボタンを押さずに飛ばすことも出来ますので、
STEP2の、曲が聴けるコンテンツにアクセスした後、
実際に再生ボタンを押すかどうかは、大きなポイントです。
そうしてやっと、再生ボタンを押してもらえても
曲が気に入らなければ途中で停止されてしまいます。
そのため、楽曲を発信する側は、出来る限り
STEP1や2の過程を飛ばして、ユーザー側に
先入観ゼロの時点ですぐに曲を聴いてもらいたいと考え
不特定多数の人に、ほぼ強制的に音を聴かせられる
タイアップや音楽番組など、マスメディアを使った
情報発信をして、楽曲のジャッジを全国のユーザーに
してもらおうとしています。
私は音楽が仕事と言うこともあって、
周囲の人が気に入っている曲は出来る限り教えてもらい、
聴くようにしていますが、音楽に限らず
面識のある人を介して得た評判、情報の信頼度は
どんなメディアにも勝るほど高いと言っても過言ではありません。
アーティスト達が自分たちの音楽を口コミで
広めてくれるファンの人たちの存在に感謝している理由も
人づてで広まる情報の信頼度は、自分たちが不特定多数に
発信する情報操作では出来ないものがあり、
自分たちの音楽をまだ聴いたことが無い人に
聴いて判断をしてもらえるからなのです。
次の回では、楽曲がヒットする要素について
お話をしたいと思います。
NEXT→
楽曲がヒットする理由について③