皆様こんばんは!
Producing office SOLEIL杉山薫です。
12月も後半に入り、本当に今年も残り少なく
なってきましたが、いかがお過ごしでしょうか?
今日から何回かにかけて
意外と知られていない、本当の絶対音感について
書いて行きたいと思いますので、
お子さんに絶対音感のスキルを身に着けさせたいと
お考えの方や、音楽と向き合っていきたい方は
是非この記事を読んでいただけましたら幸いです。
私がLessonをしている中で、時々受講者の方から
「杉山さんは絶対音感を持ってるんですか?」
と尋ねられます。
絶対音感を持っているか否か、と尋ねられた場合、私は
「私は絶対音感を持っています」と答えます。
持っていると答えると、ほぼ間違いなく
いいですね、と言われるのですが
(あとは、やっぱり救急車の音もドレミに聴こえるのですか?等々)
実は今、私は人生で2度目の”絶対音感があるが故の試練”
に遭っています。
私が今直面している、絶対音感のスキルを持っているが故の苦しみは
皆様がイメージされる、救急車や踏切の音がドレミに聴こえる
と言うことではありません。
その類のことでひとつお話をしますと、
都営浅草線(私が聴こえたのは東日本橋駅ですが)
の電車が発車する時の音は、何故か
ド~~レミファソラシ♭ド~
と、スケールに聴こえます。
他の地下鉄、JR等の電車に乗っても
発車音がスケールに聴こえることは無いのですが
何故か、都営浅草線東日本橋駅を発車する電車は
発車する時に音階を鳴らしています。
1日中駅に居る訳ではないので、浅草線の電車が全てそうなのかは
分かりませんが、度々そうした音が私には聴こえています。
>2018.1.14 追記
先日、これを確かめるために都営浅草線東日本橋駅にて
発車車両の音を30分程度上下線共に聞いたのですが、
私が記憶しているスケールの音は聞こえず、他の駅を発車する音と
同じような音になっていました。
もしかしたら日々車両が新しくなっていることも影響しているのかもしれません。
でも、私にとって救急車のサイレンや電車の発車音が
ドレミに聴こえることは、そんなに苦ではありません。
また、絶対音感を持っているとひと口に言っても
そのスキルの精度は人によって様々です。
私が持っている絶対音感のスキルは
・ピアノの鍵盤の音なら、単音で弾けばどの音でも分かる
・和音の場合は4~5音重ねた程度までなら判別可能
・日常生活に支障をきたすほどのものではない
と言う、絶対音感を持っている人の中では
標準的なものだと思います。
では、日常生活で支障がある訳ではない私が
何故、絶対音感に苦しんでいるのかについて
お話をさせていただきます。
絶対音感しか無いと直面する壁 その①
移調楽器に対応が出来ない
私が最初に絶対音感に苦しめられたのは
高校1年生の時です。
吹奏楽部でバリトンサックスと言う楽器をやったのですが
管楽器をされた経験のある方でしたらお分かりかと思います。
トランペットやサックスと言った楽器から出る「ド」の音は
実際のドではありません。
トランペットから出る「ド」の音はピアノの鍵盤で言う「シ♭」
私がやったバリトンサックスが出す「ド」の音は「ミ♭」が
出てきます。図でも見てみましょう。
なお、トランペットとバリトンサックスの人に
ピアノの鍵盤の「ド」の音を出してほしい場合は
トランペット:レ
バリトンサックス:ラ
の音を出してくれと言わないといけません。
なぜこのような現象が起こるのかと言うことについては
ウィキペディア記載の移調楽器をご参考にしていただけたらと思います。
話を戻しまして、私が高校時代に苦戦してしまった理由は
バリトンサックス(管楽器)の譜面は
実音と記音の音が違ったため、譜面にドと書かれているのに
楽器を吹くとミ♭の音が出て来ると言うことが
気持ち悪くて仕方なかったからなんです。
試行錯誤重ねた結果、当時の私はバリトンサックスの譜面に
実際に出る音をカタカナで書く、と言う対策を取ることにしましたが
譜面を読むことは何でもないことなのに、何故カタカナで音を
振らなければいけないのかと言うフラストレーションや、
何より楽譜に書かれている音と違う音が鳴っていると言う現実を
どうにも受け入れられませんでした。
もう少し踏み込んだ話をしますと
移調楽器で言う「ド」の音とは、実際のドのことではなく
その楽器が持っているスケールの第Ⅰ音のことを指しています。
ピアノのような、実際に鳴っている音の高さをそのまま音名に
当てはめて言う言い方を「固定ド」、
ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シと言うそれぞれの音名を
各スケールのⅠ~Ⅶ音に言い換えている言い方を「移動ド」と呼んでおり
「固定ド」の音感を”絶対音感”と言い、
「移動ド」の音感を”相対音感”と一般的には言っています。
本来は絶対音感と相対音感は対等な立場であり
優劣がつくものではありません。
ですが、世間では相対音感のスキルより絶対音感のスキルが
優れていると言う風潮になっている理由は、相対音感は
訓練を積めば大抵の人が身につけられるのに対し、
絶対音感は6歳までに訓練を始めなければ身につかないスキルだと
言われているためです。
楽譜に書かれた音と実際に鳴る音が違うことに耐えられなかった私は
結局1年持たず吹奏楽部を辞めてしまいました。
(理由はそれだけでもなかったのですが。。。)
大学に入ってから、相対音感のスキルも必要だ(絶対音感だけではダメ)
と言うことを知り、
譜面を見たまま移調して演奏する訓練などを行い、
高校生の時よりは移動ドに対しての苦手意識は克服しました。
にも関わらず、何故私は今、人生2度めの絶対音感の試練に
遭っているのでしょうか。
それについては、次の記事で書いて行きます。
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