皆様こんばんは!Producing office SOLEIL杉山薫です。
前回Columnを書いた時より更にコロナの状況が悪化してしまい
世界中が大変な時になっています。
コンサートやイベントは軒並み中止となり
私の周囲でも入っていた仕事がキャンセルになったと言う声を聞いたり、
音楽業界は非常に大変な状況となってしまいました。
震災の時もそうでしたが、音楽と言うのはあくまで
衣食住が安定した上で成立している仕事だと言うことを痛感しますが
「PPAP」で世界的ブームを作ったピコ太郎さんが
今回のコロナで、皆さんに正しい手洗いの仕方を訴えた動画が
非常に秀逸でしたため、本題に入る前にリンクを貼りたいと思います。
(この動画の何が秀逸かについては、本題の中で触れていきます)
【2020/4/19追記】
※Columnの中でこの作品についてまで触れることが出来なかったため
また機会があった時に改めて書きますが、一言で言うと
1分30秒の中に詰め込まれている情報量の多さです。
それでは、本題に入ります。
前回までのColumnはこちら
楽曲がヒットする理由について①
楽曲がヒットする理由について②
楽曲がヒットする理由について③
楽曲のクオリティが高くなくても、ヒットは成立する
前回の記事で、ヒットを起こすにはヒットメーターなる
ヒットの条件となる要素を点数化した時、構成比率に明確なルールは無く
どんな構成であったとしても基準以上の点数を満たすことが必要だと述べました。
そうすると極端な話、ヒットの基準が200点だとしたら
ルックス180点/楽曲20点 でも
ルックス50点/楽曲150点 でも
合計値が200点であることには変わりありません。
ランキングと言うのは、単純にセールスの枚数だけで順位付けされていますが、
そのセールスを裏付ける理由も内訳として記載された
ランキングがもしもあったら、ヒットの仕組みがもっと世の中全体で
分かりやすく認知されるかもしれません。
(残念ながら実際は楽曲リリースにあたってかけた広告費、媒体数は
機密事項のため難しいですが。。。)
ある週の売上ランキングがあったとします。
※計算が複雑になってしまうため、前週比、トータルの計算は適当です、ご容赦ください
補足をします。
■時期
延期になってしまいましたが、皆が楽曲を耳にする分かりやすい機会として
オリンピックシーズンとしました。
2020/4/27追記
ランキングの日付がColumn公開日より未来日となっていることに
何か意味があるのかと言うお問い合わせをいただきました。
これも予定されていた2020年東京オリンピックに合わせた日付にしただけで
深い意味はありません。
■累計売上枚数
当然、リリース直後の楽曲の方が売れる確率は高く
今週の売上だけでなく、トータルでその楽曲が何枚売れているのかも
大きなポイントです。
このランキングも、トータルの売上順に並べますと、
1位は週次7位の男性デュオGの曲となります。
余談ですが、元号が令和になるにあたり
「平成で最も売れたアーティスト」ランキングの番組、
オリコンの集計がありました。
リンク
【オリコン“平成セールス”ランキング】シングルはSMAP、アルバムは宇多田ヒカルが1位 “平成No.1”アーティスト別セールスのB’zからはコメント到着
一部引用させていただきますと、
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1位:B’z
累積売上(Sg+Al)枚数:8262.4万枚
[Sg売上:3596.9万枚/Al売上:4665.5万枚]
<最高売上作品>
◆Sg:「愛のままにわがままに 僕は君だけを傷つけない」
(1993/3/17発売/累積売上202.1万枚/最高1位)
◆Al:『B’z The Best“Pleasure”』(1998/5/20発売/累積売上513.6万枚/最高1位)
2位:AKB48
累積売上(Sg+Al)枚数:6005.3万枚
[Sg売上:5341.2万枚/Al売上:664.1万枚]
<最高売上作品>
◆Sg:「さよならクロール」(2013/5/22発売/累積売上195.6万枚/最高1位)
◆Al:『1830m』(2012/8/15発売/累積売上104.3万枚/最高1位)
3位:Mr.Children
累積売上(Sg+Al)枚数:6001.0万枚
[Sg売上:2895.7万枚/Al売上:3105.3万枚]
<最高売上作品>
◆Sg:「Tomorrow never knows」(1994/11/10発売/累積売上276.6万枚/最高1位)
◆Al:『Atomic Heart』(1994/9/1発売/累積売上343.0万枚/最高1位)
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とありますが
「平成で最も売れた」と言うくくりですと、
当然平成での活動期間の長いアーティストほど有利になります。
デビューは
B’z:昭和63年
AKB48:平成17年
Mr.Children:平成4年
とあり、B’zは平成の全時期において音楽活動をしていたので
アドバンテージが働くのは当然といえば当然のことです。
※最も、B’zもミスチルも20年以上現役第一線で活躍を続けていると言うことが
何よりもの功績、記録であることは言うまでもありません。
一方、2位のAKB48はデビューが平成17年であるにも関わらず、
メンバーチェンジがあっても、僅差であっても3位のミスチルを抑えて
2位の座についたのですから、こちらも驚異的な記録です。
ただ、1位や3位に比べると、アルバムよりシングルの枚数が圧倒的に多いので
このランキングは1枚1000~1500円のシングルと、3000円のアルバムが
同じ1枚と言うくくりのため、例えばアルバム1枚を2枚換算にする、
あるいは金額単価での計算をしたランキングであれば順位は変わってくるはずです。
そうして考えてみると
アルバム1位の宇多田ヒカルさんの『First Love』の767万枚と言う記録は
もう半永久的に抜くことは不可能な記録と言えるでしょう。
また、ベストアルバムとはいえ
2017年にリリースされた安室奈美恵さんの『Finally』は
CDがとうに売れなくなった近年で177万枚のセールスがいかにすごいことか分かります。
その他のランキングに入っているアーティストも
いわゆる1990年代の「音楽バブル」の時期にリリースしているアーティストが大半で
この時代は音楽と言う商品がそれまでの常識を覆すほど売れた時代のため
当時ミリオンヒットを記録した楽曲を、今リリースしたとしても
当時と同じセールスを記録出来るのかは、未知数です。
逆を言うと今、ヒットの目安とされる10万枚売れた曲も
音楽バブル期にリリースしたらミリオンヒットとなるかもしれません。
このランキングに入っている曲も世代的なものもありますが、
B’zとミスチルは当時大ヒットしたことを私も記憶に残っています。
AKB48に関しては、
ヘビーローテーションや恋するフォーチューンクッキーではないのが意外でしたが
たまたま私がさよならクロールがリリースされた時、ランキングをあまり気にしていない
時期だったのかもしれません。アルバムの方は私も知っている曲が入っていました。
喩えよりも実例を使っての解説になってしまい、少し脱線してしまいましたが
次のColumnで、先程私が作ったランキングで着目する曲や、
10年後も残りそうな曲について解説をしたいと思います。
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楽曲がヒットする理由について⑤