皆様こんばんは。Producing office SOLEIL杉山薫です。
昨日七英雄バトルのチェンバロ演奏動画を公開しましたが
今回チェンバロの動画を作成するにあたり、クラシックの曲にも
久しぶりに取り組みました。
なぜポピュラーの曲の演奏動画を録るためにクラシックの曲を練習したのか、
その理由などを今回は書きたいと思います。
バッハ インヴェション13番(チェンバロ版)
J.S. Bach –Invention No. 13 in A minor, BWV 784– Harpsichord (Baroque Pitch A=415Hz)
また、比較用としてピアノでも動画を録りました。
【比較用】バッハ インヴェション13番
J.S. Bach –Invention No. 13 in A minor, BWV 784– (Piano)
チェンバロで弾ける指作りはバッハの曲の練習が最善
前回の記事で、昨年11月に先生のところでバトル1と七英雄バトルの試演をしたと
書きましたが、その時に1番痛感したことが、「チェンバロを弾ける指になっていない」
と言うことでした。9月10月もバトル1のソロバージョンの練習をしていましたが、
ハンマーを叩いて音を出す、ピアノの打鍵の感覚は思い出せても
”チェンバロの弦を弾いて音を出す打鍵に対応出来ていない”と感じました。
通常であれば、仕上げたい曲があるならその曲の練習をするのが最善ですが
試演をして、これは自分が編曲を書いた譜面を何度練習したところで
チェンバロを弾ける指は作れない、と直感しました。
練習は全てチェンバロではなくピアノで行うことも考慮し、
チェンバロに対応する指を作るには、バッハの曲を練習するのが最善だと考え
今回、七英雄バトルをチェンバロで弾くために、バッハのインヴェンション13番の
練習をすることにしました。
YouTubeの説明欄に記載した文章と同じですが、
バッハのインヴェンションについて、簡単な説明は以下の通りです。
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J.S.バッハの「インヴェンション」は、2つの声部が会話するように進んでいく、
小さな鍵盤曲集です。
ひとつのメロディ(テーマ)を出発点に、右手と左手が互いに追いかけ合ったり、
重なり合ったりしながら音楽が展開していきます。
もともとはバッハが子どもたちに音楽を教えるために作った練習曲ですが、
シンプルな中に美しさと工夫が詰まっていて、
今では世界中のピアノやチェンバロ奏者に愛されています。
短い曲の中に、バッハらしい知的さと温かさがぎゅっと凝縮された作品です。
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ポピュラー音楽理論を学んで改めて気づいたバッハの偉大さ
ピアノを経験されている方であれば、インヴェンションはバッハの曲の中では
決して難解な部類の曲ではないことはご存知と思います。
私も初めてインヴェンションを弾いたのは中学生の時でした。
YouTubeでも、小学生の子がインヴェンションを弾いている動画もあります。
最初はチェンバロで弾く指を作るための練習として
インヴェンションに取り組みましたが、そこで改めて譜面を見て
バッハが書いた譜面がいかに美しいものなのか、目の当たりにしました。
音の間隔、転調の仕方など様々ですが、一言で言うと
「どこにも隙が無い」と感じました。また、インヴェンションは
2つの声部で成り立っているため、2つ以上の音が重なることはありません。
和音は基本的にCメジャーコードであればド、ミ、ソの3つの音が重なった
響きになるのですが、2つしか音が鳴らせないと言うことは
どう頑張っても
①ドとミ
②ミとソ
③ドとソ
以外の組み合わせにはならないにも関わらず、和声が成立しており、
他にもたったひとつの音で転調を決定づけたり。
どうやったらこんな綺麗な譜面を、しかも2ページと言うコンパクトな
長さにまとめて書けるのだろうかと、
言葉にならない感情が込み上げてきました。
それと同時に、学生時代バッハの曲に対して持っていた印象は
・ペダルが使えないからごまかしがきかない
・左手で旋律を弾くのが難しい(左利きなら弾ける訳ではないです)
・3声、4声になるととにかく練習が大変
と言う、どちらかと言うととっつきにくい曲、
聴くのはいいけど、自分で弾くには練習が大変、
ショパンやリストの方が派手で演奏映えもしやすい、など
積極的に取り組みたい気持ちが湧くものではありませんでした。
当時気づけなかったものは仕方ないし、例え40を過ぎても
バッハが音楽の父と言われる所以を、少しでも肌で感じられただけ
よかったと思ってはいます。ですが、なぜ学生時代にもっと気づけなかったのか
こうしたことにもし気づけていたなら、学生時代ピアノに取り組む気持ちも
変わっていたかもしれない、そんな後悔の気持ちも込み上げてきました。
個人的所感としては、ピアノでバッハを弾く方が難しい
今回比較用として、チェンバロとピアノ、両方の楽器で演奏した
動画を上げることにしたのですが、いざ、指の訓練ではなく
動画を撮影するとなった時に
まるで、昔のアナログ写真と現代のデジタル写真の画素数の違いで
アナログ写真なら気にしなくてよかった、肌の毛穴が
デジタル写真だと鮮明に映ってしまい、加工や修正が必要になるような
チェンバロで演奏した時には気にならなかった細かいタッチの差まで
ピアノだと事細かに拾ってしまい、演奏のハードルが一気に上がったような
そんな印象を持ちました。
もちろん、ピアノで上手にバッハを演奏されている動画も
たくさんありますので、最終的には個人の技量です。
人によっては、チェンバロで演奏する方が難しいと感じる方も
いらっしゃると思います。
あくまで今回取り組んだ上での、1個人の感想ですが
私は、ピアノでバッハを弾く方が難しいと感じました。
チェンバロも、ピアノとは鍵盤の色が白黒反転していることや
鍵盤の長さもピアノと同じではないため、視覚的に慣れる必要がありましたが
上述したようなデジタル写真とアナログ写真の違いのような感覚が強かったです。
演奏の良し悪しではなく、ピッチの違い以外にも
同じ人が、同じタイミングでチェンバロとピアノで弾いた時に
どれだけの違いが出るのか、
見ていただいた方に何か感じ取っていただけたらと思い、
比較用としてピアノ版も公開することにしました。
楽器を弾かせてくださった先生、両親どちらにも喜んでもらえた
今回、キッカケはポピュラーの曲でしたが自分の意志でバッハ(クラシック)
の曲に取り組んだことを、チェンバロを弾かせてくださった先生にも、
私の両親にも、とても喜んでもらえました。
ジャンル問わず音楽を勉強し続けることの大切さを改めて感じましたので
2026年も、今くらいの稼働率で仕事が出来る間は、
クラシックの曲にも取り組もうと思っています。
ブランクが出来ても、家にピアノが無くても、音楽を学びたいと言う
その気持ちさえあれば、いつでも音楽は学べます。
もし、今回の動画がキッカケで、ピアノを再開しようかな、と
思ってくださった方が1人でもいてくださったなら、
動画を録ってよかったなと思います。
それではまた、次の記事でお会いしましょう!
2026年が皆様にとって良い1年になりますように。


