鹿児島のストリートピアノ損壊事件について

皆様こんにちは。
Producing office SOLEIL杉山薫です。
コロナで音楽業界が大変な中、
とても悲しい事件が起きてしまいました。

 

ストリートピアノ壊される 男ら3人が出頭 鹿児島・霧島市

ヤフーニュース

男女4人が、設置されたストリートピアノを倒すなどの行為をして
ピアノはフタが壊れたり、出なくなった音もあるそうです。
私はこのニュースを見た時、一瞬目を疑いました。
内容は勿論のこと、日本国内で、しかも加害者に女性もいるということに。
そして、ピアノなんて大人の男性2人でも持つのが辛いほど
重たいものを倒すなんて、誰か下敷きになった時のリスクなど考えないのでしょう。

悲しい、という気持ちは大前提ですが
それとは別で、見解を書きたいことがあったので
Columnとして取り上げることにしました。

 

世の中には音楽が嫌いな人もいることを忘れてはならない

ちょうど何日か前に、NHKの朝ドラ『エール』で
主人公の弟が、音楽の才能がある兄と父親の会話に自分が入る余地がなく
兄が嫌いだった、というエピソードがドラマのシーンでありましたが

世の中にいる人の全員が音楽が好きな訳ではなく
中には音楽が嫌いな人もいます。
音楽が好きな人からすると信じられない話ですが、
音楽が嫌いだという人もいくらかはいるのです。

世の中には、音楽に対して

①めちゃくちゃ好き
②そこそこ好き
③関心がない、好きってほどでもない
④嫌い

大きく分けるとこの4つのカテゴリーに分けられます。
①~③の人は、音楽の話をしても嫌悪感を持たれることは少ないので
害はないのですが、
④の音楽が嫌いのカテゴリの人に音楽の話を続けると
最悪人間関係が壊れることがあります。

そのように私が言えるのは、何を隠そう
私自身が、以前「音楽の話は2度としないでくれ」
そう言われたことがあるからです。

もっとも、そのように音楽が嫌いな人は、
音楽を仕事にしよう、音楽と関わろうと思いませんので
少なくとも、音楽を仕事に出来た人なら
④のカテゴリの人と接触する機会はほぼ無いと思います。

 

拍手喝采を浴びたいのなら、お金をもらえるレベルまで技術を磨け

最近You Tubeで、時々ストリートピアノでの演奏投稿を目にしますが
それらを見ていて気になるのは、ハナから

「私上手いでしょ!褒めて!」

という前提でストリートピアノ演奏をしていることです。
もっと言うと、私には彼らの演奏から
「褒めて!褒めて!」と言う、心の声が聞こえてしまい
興ざめしてしまいます。

勿論彼らの演奏は上手いのですが
そんなに拍手喝采が浴びたいのなら、
突如現れてストリートピアノで無料ゲリラライブではなく
きちんとプロを目指せばよいのにと、私は思います。

リサイタルなり、イベントであれば
多かれ少なかれ事前に告知がありますので
演奏を聞きたい人が集まりますが
ゲリラライブの場合は、そうした告知が無いため
中には音楽とは関係のない用事で
そこに居合わせなければいけないのに、
聴きたくもない音楽を無理やり聴かされて不快な思いをする人もいるのです。

また、明らかにプロレベルの人が
ストリートピアノで突如演奏してしまうと
その次にピアノを弾く人に、多大なるプレッシャーを与えてしまい、
中には、前の演奏者のように弾けない自分を責めてしまう人も
いるかもしれません。

以前、
コンテスト優勝とプロデビューについて
こちらのColumnの中で、
アマチュアための大会に明らかにプロ志向の人が出場して、
優勝をさらっていくのはマナー違反であると言うことを書きました。

ストリートピアノも、
ピアノが買えない人にも、気軽に弾いてもらいたい
と言う主催者側の思いを、もっと感じ取ってもらいたいです。

もっとも、それを感じ取れる人はきちんとリサイタルを開き、
プロへの道を作って行きますので
それが出来ない人たちが、ストリートピアノ、You Tubeと言う
タダで、誰でも出来る発信方法で”プロ気取り”をしているのでしょう。

先日、プロレスラー木村花さんの悲しい事件もありましたが、
インターネット、SNSが発展し、ひと昔前なら
不特定多数への情報発信の権利を得られなかった人たちに
権利を持たせたことの弊害のひとつとも言えるかもしれません。

個人的には、ストリートピアノは
不特定多数の人が弾くことにより楽器が痛みやすいだけでなく
気温や湿度も楽器にとっては酷な環境である場合が多いので
賛同しませんが、ピアノが家にない人でもピアノが弾ける
と言うメリットもあるのは事実なので、
そこに置かれている楽器を大事にしながら、皆で使ってほしいと思います。
※個人的にはピアノにペイントしてしまうのも
絵の具がピアノに染み込んでしまうのでどうかと思いますが。。。

 

自分が音楽が好きであっても、中には音楽が嫌いな人もいる

 

音楽が嫌いな人への配慮が出来るようになることも
音楽を愛する者がとるべき優しさではないかと思います。

 

それでは、またここでお会いしましょう。