ロマンシングサガ2リメイク ピアノ演奏動画作成エピソード

皆様こんにちは!Producing office SOLEIL杉山薫です。
先週のバトル1のピアノソロ&連弾に続き、
昨日、連弾の恐怖を纏う者の動画も公開されました。

今回のコラムでは、連弾の編曲してくださったMutsumiさんについて、
書きたいと思います。

 

Romancing SaGa2 REVENGE OF THE SEVEN -Battle1- Piano solo
作曲:伊藤賢治 編曲:Producing office SOLEIL 演奏:Kaoru

 

Romancing SaGa2 REVENGE OF THE SEVEN -Battle 1- piano four hands
作曲:伊藤賢治 編曲:Mutsumi 演奏:Mutsumi&Kai

 

Romancing SaGa2 REVENGE OF THE SEVEN -Dress in dread〜恐怖を纏う者〜 -piano four hands
作曲:伊藤賢治 編曲:Mutsumi 演奏:Mutsumi&Kai

 

Mutsumiさんはピアノと言う楽器を熟知されている音楽家

クラシックからポピュラーまで色んな音楽家の方とお話をしますが、
私はMutsumiさんほどピアノと言う楽器の特性を理解されて曲を作られている
音楽家は出会ったことがありません。

2017年に『夢の先へ』をリリースしましたが、
私は学生時代からずっとバンドサウンドに憧れていました。
裏を返すと、それは一種のピアノと言う楽器へのコンプレックスでした。
ピアノはもちろん素晴らしい楽器です。
1人でオーケストラを演奏出来る楽器とも言われています。
ですが、オーケストラはピアノで表現出来ても、
バンドの音(とりわけドラム)の世界観を
ピアノで満足の行く表現は出来ないと思っていました。
実際、市販の譜面を見たり、自分で編曲をしてみても、10本の指(1人の演奏)では、
バラード曲であれば素晴らしいものがあっても、バンドのグルーブ感を出せている曲には
出会えたことがありませんでした。

そんな中、Mutsumiさんと出会いまして、
連弾の演奏動画をいくつか公開されていると教えていただきました。
私自身連弾の演奏は経験が無く、ピアノ教室の発表会で親子で通ってらっしゃる生徒さんが
ジブリの演奏をしているようなものしか聴いたことがありませんでした。

初めてMutsumiさんが編曲、演奏された連弾の演奏を聴いた時
ピアノはバンドの世界観をこんなに表現出来る楽器だったのかと、
カルチャーショックを受けてしまいました。

私がMutusmiさんを本当に音楽家として尊敬しているのは
プロのピアニストであり、また、プロの作曲家であるということなんです。
ジャズをずっと経験されてきた方や、元々クラシックではなくポピュラーを
専攻されている方では、ピアニスト兼作曲家の人はいますが
クラシック出身で、演奏もクラシックからポピュラーまでこなし、
さらに自作曲も書ける方と言うのは、稀だと思っています。

 

作曲者がイメージ出来ていない曲は書けない

今回編曲していただいた2曲以外でも、Mutsumiさんの演奏動画を見て分かるのが、

ピアノの鍵盤の端から端まで使っている

と言うことです。
連弾で20本の指で演奏しているから、端から端まで同時に音を鳴らせるものの
それだけではMutsumiさんのような編曲は出来ません。
音楽は緩急(メリハリ)なので、終始音を詰め込んでも良い曲にはならず
音を入れる箇所と入れない箇所のバランスが大切です。

そして、今回私が編曲したソロバージョンの譜面も含めて
あくまで、頭の中でイメージ出来たから譜面に落とし込めたものです。
サントラCDを聴いて、今回書いていただいたイメージが出来たと言うのは、
センスはもちろんのこと、日頃から、
どのように音を鳴らしたらピアノと言う楽器の良さを最大限生かせるか、
音がぶつからずに綺麗な響きになり、なおかつ音の厚みも出せるのか、
研究の賜物なのだなと、改めて感じた次第です。

 

ゲームの思い出補正はなく「音楽だけ」を見て編曲してくれた

もうひとつ私がMutsumiさんを尊敬しているのが、
ゲームの思い出補正が無い、と言うことです。

私も含めてたくさんのサガファンの人が、
イトケンさんの音楽を素晴らしいと思っていますが
それはあくまで、ロマサガシリーズと言うゲームをプレイした
思い出と合わせた感想です。

ですがMutsumiさんはリベサガの音楽「だけ」を見て
曲の良さを最大限感じられる編曲と演奏をしてくださいました。

1人のサガファンとして、イトケンさんのファンとして
こんなに嬉しいことはありません。

Mutsumiさんに連弾の編曲していただいたら
きっと素敵な演奏になるだろうなと、思ってはいましたが
私の期待を超える演奏をしていただいて、感謝の気持ちでいっぱいです。
本当にありがとうございました。

Mutsumiさんの今後ますますのご活躍をお祈り申し上げます。

それでは、また次回の記事でお会いしましょう!