音楽系の学校へ行くメリットとは②

皆様こんばんは。Producing office SOLEIL杉山薫です。
昨日に引き続き今日も音楽系の学校へ行くことのメリットについて
お伝えしていきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

前回の記事はこちら
音楽系の学校へ行くメリットとは①

各教育機関で向いている進路について

前回は、音楽系の学校へ行くことのメリットとして、
卒業証書があれば、プロ、セミプロ、アマチュアのカテゴリに分けた際、
プロにはなれなくてもセミプロの保証がもらえることだと書きましたが、
もうひとつの音楽系の学校に行くメリットについてお伝えする前に、
進学先として音楽系大学、専門学校、一般大学を選んだ場合、
各教育機関のメリット・デメリットについてまとめてみました。

なりたい職と教育機関をざっくり分けますと

①教員になりたい人:教員免許が取れる大学
②クラシック音楽の仕事に就きたい人:音楽大学
③とにかくポピュラー音楽業界の仕事に就きたい人:音楽系専門学校
④音楽ビジネスの仕事に就きたい人:一般大学(MARCH以上)

となります。
少し解説をしていきますね。

①教員になりたい人が音楽大学へ行くべきか、教育学部へ行くべきか。
 どちらへ行っても良いと思いますが、学費とカリキュラム、
 施設などを総合して、学費が高くても音楽の環境が最高レベルで整った所で
 4年間学び、教員免許を取りたいと思う人は音楽大学を選んだら良いと
 思います。自分で言うのもなんですが、やはり私立音大の音楽環境は
 半端なく素晴らしく、学内にある設備を見れば、学費の金額も納得出来ます。 
 あとは、教育学部は大半が国公立ですので、
 センター試験の点数が取れるかどうかでしょう。

②クラシック音楽の仕事がしたい人は、音楽大学一択でよいと思います。
 中でも演奏家を目指す人は、ご自身が師事されている先生の大学か、
 入れるか否かはともかく、目標は国内なら芸大または桐朋が良いと思います。

 要は“頂点を取る、ライバルに勝つ”と言う気持ちをどこまで持つか
 と言うことですね。
 学費が工面出来なくて私立の音大に行けないと言う人でも、
 芸大は国立大学ですから私立音大より安いですし、
 クラシック音楽を学びたい人達へは奨学金の制度もありますから、
 お金を理由に音楽を学びたい気持ちを我慢するのではなく、
 どうすれば音楽を学べる環境に行けるかを考えてほしいです。


 演奏家以外であっても、音大は音楽学や音楽の歴史を研究されている先生方が
 多数いらっしゃいますし、やはりクラシック音楽は作られてから
 時間が経過しているため、どうしても当時の資料や歴史背景を知るためには
 独学では限界があり、専門機関にしかない著書、譜面などを
 気軽に見られる機会が必要になってきますから、音楽大学が良いと思います。

③ポピュラー音楽業界に就職したい人は、専門学校へ行って真面目に学生生活を
 送り、学校推薦で音楽業界へ就職するのが1番固いです。ただし、図の中にも   
 記載した通り専門学校では学士号や教員免許は取れませんので、
 あくまで4年制大学の卒業証書にこだわりたい方、譜面に強くなりたい方は    
 音楽大学へ行く選択肢もあります。
 また、音楽大学のポピュラー専攻では教員免許状が取れない学校も
 ありますので各学校、専攻の募集要項をよく調べてみてください。

④音楽ビジネス、と書きましたが④のカテゴリは
 いわゆる大手レーベルのウェブサイトの新卒採用で募集が若干名と
 書かれているような仕事、宣伝担当など、音楽をマスメディアを使って扱う
 仕事を指します。広くは広告代理店も④のカテゴリに入ります。
 ① ~③と④の何が違うかと言うことですが、

 音楽ビジネスのプロになるためには経済の知識、ビジネス理論が必須で、
 経済や経営についての基礎を学ぶ必要があるのです。

 音楽大学は音楽理論や実技、歴史について学ぶ所であり、
 経済や経営を専門的に学ぶところではありません。
 ④の、レコード会社の新卒採用で合格する人達の仕事は、
 音楽と言う商品をヒットさせるための戦略を練る人達です。
 そのような職種に就くためには、
 音楽以外のどんな商品を扱ってもヒットを生み出せるだけの
 基礎知識が必要なのです。
③の専門学校で用意している出口は、
 コンサートスタッフなど、どちらかと言うと現場スタッフとして
 活躍する職種です。それに対し④は業界全体を動かす中枢の仕事になります。
  MARCH以上と書きましたが、勿論これは参考であって
 どちらかと言うと大学のレベルよりも、
 経済や経営の知識を持っているかどうか、がポイントになります。


勿論、学生時代において大切なことは、
希望する職種に就く足がかりを作ることですので、
専門学校に行って現場スタッフとして業界に入った後、
宣伝の仕事に興味を持つようになって、キャリアを作ることは可能です。
音楽大学を卒業しても、私のようにプロデュースを仕事にする人もいますので、
どの学校に行ったからこの職には就けない、と言うことではありませんが、
ひと口に音楽と言っても多種多様ですから、ご自身がしたいことが何で、
その仕事に就くためには何を学ぶべきなのかは、
よく考えて学校選びをしてください。

学校で頑張れば必ず得られるもの、それがコネクション

各教育機関によって進路の向き不向きはありますが、
どの職に就くにあたっても学校に行って頑張れば必ず得られるものが、
各業界とのコネクションです。

実は音楽をしていく上で一番大切なもの、一番必要なものがコネクションです。
ですが、コネクションを生まれながらに手に入れられる人は

ごくわずかであって、
大抵の人は業界とのコネクションを持っていません。
そのため学校に通い、プロの先生方との接点を作らせてもらい、
学校で提供している人脈を分けていただくことが出来ます。

人脈を持っていない人でも学校で頑張れば、コネクションが作れることが
私が考える、音楽系の学校へ行くことの、もうひとつのメリットです。
卒業後の進路につなげる人脈を作るために学費を払うと言っても
過言ではないです。人脈ばかりは、日々の積み重ねで信頼関係が
出来上がっていくため、お金を出してその場ですぐに買えるものでは
ありませんが、努力を重ねて行けば、
卒業後の進路にきっと生かされることでしょう。

それでは、次の記事ではいよいよ
アーティストになるために必要な進路選択について触れて行きます。

NEXT→
音楽系の学校へ行くメリットとは③