SNS使用時にタレントが持つべき知識③ ※2024/2/22追記あり

皆様こんにちは。Producing office SOLEIL杉山薫です。
日本はお盆休みかつ台風の進路が心配されていますが
ここ最近も、よいニュースもあれば目を覆いたくなるような嫌なニュースもあり
内容によっては年齢制限を設けた方がよいのではないかと思うこともあります。
そうしたことも踏まえて
SNSを正しく使うためのcolumn、第3回を書きたいと思います。

前回のcolumnはこちら
SNS使用時にタレントが持つべき知識②

※昨今の問題を踏まえて、説明の図をひとつ追加しました(2024/2/22)

SNSも自動車運転と同じく免許制にするのが本当は理想

私は「SNSは自動車と同じ」と考えています。
使い方によっては夢を叶えたり、非常に便利なものですが
使い方を間違えると最悪死に至ってしまうと言う点では、自動車と同じではないでしょうか。

※2024/2/22追加

自動車事故の場合は文字通り体が傷つきますが、SNSの場合は言葉のナイフです。
SNSの誹謗中傷によって腕が麻痺したとか、目が見えなくなる訳ではありませんが
ネットだけではなくリアルでも人と接することが怖くなったり、
仕事にも支障をきたすと考えると、SNSは諸刃の剣なのです。

自動車の場合は、年齢と、免許を取得する前に講習を受けることが必須ですし、
免許が交付されたあとも定期的な講習を受けなければ免許が失効されます。
そうした対策を取っていても、交通事故をゼロにすることは出来ません。

SNSは、利用にあたっての注意点や、
マナーの講習が当事者のリテラシー任せになっている現状では
都会でも田舎でもどんなところでも、信号機も、標識も無いような状態で、
ひたすら運転者が前後左右を確認しながら運転をして、
事故に遭わないように気をつけましょうと注意喚起しても
難しいことは目に見えています。

SNSが原因の悲しい事件を減らして行くには、
社会全体がリテラシーの向上をしていくべきなのですが
誹謗中傷や嫌がらせをすることを楽しみとしている人たちもいる中で、
そうした人たちに向けて相手の気持ちを考えて発言しましょう、誹謗中傷を止めましょう、
などと言った注意喚起をしても、右から左に流れてしまうだけで、
目に見える効果は期待出来ません。

では、どうしたら少しでもストレスなく、SNSのメリットを楽しみながら使えるのか。
それは、発信する側の人がSNSに対する定期的な講習を受け、リテラシーを高め
SNSのリスクについても常に理解した上で、上手に使っていけるようにするしかないのです。

箇条書きですがいくつか書き出してみました。

 

制限が多いように見えますが、一般の人が趣味で作っている読む専用アカウントと
営業のアカウントは別物なため、制限が多くなるのは致し方ありません。
プライベートの話題は書き込まないと書きましたが、あくまで”芸能活動のネタとして”
趣味のことも話題に使うのであれば許容範囲ですが、SNSに書き込むと言うことは、
その情報を不特定多数に公開する訳ですから、
プライベートとして守りたい範囲のことは書かない方が賢明です。

また、憎悪の感情を書き込まないと言うのも、考え抜いた上で毎回投稿しても、
それでも様々な揚げ足取りや、もらい事故のようなこともある訳なので、炎上リスクのあるものは
極力投稿しないことです。そう考えると、「炎上タレント」と言われる人たちがしていることが
いかにハイリスクで、かつ鋼のメンタルでないとやっていられないかと言うことも分かります。

炎上ネタと言うのは、確かにアクセス数を稼ぐには手っ取り早いものの、
楽して大金は稼げないのと同じで
ブレイクするためのキッカケ作りであっても、オススメしません。

 

「死」と言う言葉の比喩的意味を理解する

私は物事を伝える中で、喩え話や、比喩を、自分自身のことにも、第三者のことにも
比較的よく使います。その理由は、事実を全て事細かに話すよりも喩えを使った方が
相手に早く、的確に事象を伝えられるからです。

例えば、私は「J-POP界の羽生結弦を作ることが目標」だと、知人と会話する時に話します。
大抵の人は羽生結弦くんの”ような”人気、人格、スター性、技術がある歌手を育てたいのだなと
理解してくれますが、稀に「意味が分からない」と言われることもあります。

その場合は、
歌手、音楽家として本質である技術がぶっちぎりで備わっていて
老若男女全ての層から好かれる容姿で
人を感動させられる生き方をしていて、なおかつ
他者を寄せ付けない人気と実力があるアーティスト、まるでフィギュアスケート界だと
羽生結弦くんのような。男性の歌手で今、そう言う立ち位置のソロアーティストは
見当たらない気がするので。

と詳細を伝えますが、毎回会う人会う人に上記のことを口頭で説明するのは大変なので
「J-POP界の羽生結弦」と言う言葉に凝縮しています。

 

使い方は真逆ですが、実は誹謗中傷コメントの大半も、本当にタレントに死んでほしいと思って
死ね、ブス、などの言葉を書き込んでいる訳ではありません。

彼らが言う「死」と言う言葉は
・芸能界引退してくれ
・ネットニュース等で自分たちの目に入らないようにしてくれ

大方この2つです。木村花さんの事件でも、本当に様々な酷い書き込みがあったと
ニュースで読みましたが、そういう書き込みをした人たちも大半は
テレビ番組や、その他媒体で花さんの姿を見ることが無いようにしてほしい、
根本にあった感情は「花さんを該当のテレビ番組や媒体で見たくない」と言うことであって
本当にあのような結果になることを望んでいた訳ではない、と私は考えています。

なぜかと言うと、あのような結果になると、自分たちが逮捕されるから、です。
自分たちに直接火の粉が飛んでくると面倒くさいから、です。

では、本当に花さんに死んでほしいと思っていた訳でもないのに、なぜ
花さんを自死に追いやるほど酷い言葉を彼らは言い続けたのでしょうか。

「番組のシナリオ通りに動いているだけであっても
この番組でこれ以上花さんを見たくないので、彼女を降板させてください。」

↑このような文章を書くのが面倒くさいから です。

花さんに本当に死んでほしいと思っていた訳でもない、
ただ、番組から降板してくれて、その他芸能ニュースでも見かけなくなれば
それで彼らは花さんを見ていた不快感から開放されるはずなのに
その説明が面倒くさいと言う、たったそれだけの理由で人を死に追いやるような
酷い言葉を、著名だという盾の元、何のためらいもなく
本人が読めるようなところにまで書き込んでしまえるような人たちなのです。

花さんの出演が不快だったなら、番組を見るのを止めればよかった。
意見があるのなら、制作会社に言えばよかった。
ただそれだけなのに、長い文章を書くのが面倒くさいと言う理由で
人を死に追いやってしまうような言葉を平気で言う。

そして大騒ぎになったらアカウントを削除して、発言を無かったことにしようとする。
警察に逮捕されたら今度は「まさか本当に死んでしまうとは思わなかった
そんなつもりで書いた訳ではない」と、相手を傷つけたことを申し訳ないと思うどころか
自分を擁護する。

なぜ、そんな相手への気遣いが出来ない人でもアカウントを作れているのか。
それはアカウントの規制が緩いから、無料で作れてしまうから。

そう言う人達に認めてもらいたい、あの日あの時中傷したことを詫びてほしいとか
思うのは自由ですが、それを成し遂げて得られるものはなんでしょうか。
誤解のない表現をするために文字を打つのが面倒くさいと言う理由で
誹謗中傷するくらいなので、
その後もあなたのファンになってお金を落としてくれる訳でもないでしょう。
しかも、業界の権力者でもないのでメディアにプッシュをかける力もない人達です。

実際あのような形になってしまった、木村花さんのお母様は、犯人達に対して
とことん損害賠償請求をするべきだと思いますが
そうした事を考えていくと、「長い文章を打つのが面倒くさい」と言う理由で
人権侵害にあたるような言葉を、しかもきちんと会って話したこともない人に対して
言えてしまう人達の言葉に一喜一憂するのは、不利益の方が圧倒的に大きいと、
私はそう言う結論に至っており、今は自分でサーバー料金を払った上で
私自身のウェブサイト上に自分の考えを、極力誤解を与えないよう配慮しながら書いています。

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