音楽系の学校へ行くメリットとは④

皆様こんばんは。Producing office SOLEIL杉山薫です。
世間はすっかりクリスマスですが、皆様いかがお過ごしでしょうか?

今日は 音楽系の学校に進んだものの、
音楽の就職を希望しなくなった場合の対策とについて
述べたいと思います。

前回の記事はこちら
音楽系の学校へ行くメリットとは①
音楽系の学校へ行くメリットとは②
音楽系の学校へ行くメリットとは③

音大に入ったものの、音楽の仕事を希望しなくなった時に必要なこと

専門学校は2年間ですが、大学は4年間あり
4年間と言う時間は短いようですが、長いものです。
また、音楽大学に入っても全員が卒業後の進路で
音楽を選ぶ訳ではなく、中には
音楽以外の仕事に就きたいと思う人もいます。

個人的には、せっかく高い学費を払って
最高の環境で音楽を学んだのだから
それを生かした仕事に1人でも多くの人が就いてほしいと
考えていますが、色々な事情があって
音楽以外の道へ進まざるを得ない人が多いのも事実です。

そのためもし、音楽大学へ進学した人が
大学生活を過ごす中で音楽の仕事への興味関心が薄れ
音楽以外の進路を考えるようになった場合に、
真っ先にしてほしいことがあります。

それが、

一刻も早く一般大学の学生と対等に就活競争出来るだけの
知識、スキルを身に着けてほしい

と言うことです。

なぜなら、音楽大学の学生がピアノや専攻楽器の練習に励み
コンクールの優勝を目指している時、
一般大学の学生は、企業へ就職するために必要な教養、
スキルを学んでいるためです。
音大の学生が実技の練習に当てている時間と同じ時間、
一般大学の学生はパソコンやオフィスワークの勉強をしていると
喩えれば分かりやすいでしょうか。

もし、音楽大学の学生が特にカリキュラム以外の勉強は
何もしない状態でも、一般大学の学生と同等か
それ以上の一般教養が身についていたとしたら、
それは一般大学の学生にとって、大学へ行く意味が無い
と言うことになりますが、現実は勿論そうではありません。

一般大学の学生と音大生、どちらも
大学のカリキュラムのみ学習した場合で
一般企業の面接を受けた時の評価を例にしてみました。

一般大学生のAさん、音大生のBさん、2人の学生がある企業の採用試験に
エントリーしたとします。
採用担当者が参考にする数値は、上のグラフの「水色以外」の数値です。

企業は能力値150の学生を求めていますが、
Aさん、Bさん共に能力値は100しかありません。

採用担当者があくまで能力値150の学生を求めるのならば、
この場合Aさん、Bさん共に不採用です。

そして実は、音大生のBさんは書類選考の時点でも
見えない壁にぶつかってしまいます。下のイラストを見て下さい。

大学名そのものによるフィルター

音大生自身は認識が薄いかもしれませんが、
世間一般の大半の人は、「音楽大学卒業」と聞くと
それだけで、音楽のプロと言う先入観を持ちます。

その理由は、楽器が演奏出来ない人にとっては
ピアノを両手で弾ける、楽譜が読めると言うことが
とてつもなくすごいことだからです。

また、音楽系の大学の大半は、学校名に音楽大学、芸術大学
と言った言葉が含まれており、まず出身学校名を見られただけで
「この人は音楽のプロなのだ」と言う先入観を与えてしまうのです。

そうすると、一般企業の担当者からすると

音楽のプロなのに、何故音楽と関係の無い会社にエントリーしたのか?
と言う疑問が発生し、
音楽の世界で飯を食うのは大変だから諦めて、
一般企業にエントリーしたのだろう、と
実際には音楽を諦めた訳ではなくても、

・まだ学生なのに既に夢を諦めた人
・1番好きなことは音楽だから、
 いざとなったら会社の仕事より音楽を取って
 辞めてしまうのではないか
 
と言う、良くない先入観を持たれてしまう確率が非常に高いのです。

図の中でも書きましたが、この場合、Bさんは就活へのやる気を
伝えるため、リクルートスーツを着て、髪も束ねた状態で
写真を撮っていますが、企業の担当者からは
Bさんがリクルートスーツを着ていることや、髪を束ねていることは
評価の論点になっていないのです。
確かに面接で好印象を与えやすい髪型、メイクなどはありますが
それはあくまで各企業が募集している人材の条件を
最低限クリアした上での話です。

そのため、音楽大学に進んだ人で、一般企業への就職をする場合は
一般大学の学生が大学で学んで来たことと同等のスキル、
もしくはやる気の証明が必要です。
企業の採用担当者も毎年たくさんの学生の面接を
している訳ですから、表面的な理由を述べただけでは
その学生が心から自社の仕事に興味関心を示している訳ではないと
見抜かれてしまいます。

資格は就活でやる気とスキルを証明する1番確実なもの

これは私自身の経験ですが、音大卒の肩書を持ちながらでも
世間一般に自分のやる気とスキルを証明する、1番確実な手段が
資格の取得です。
私もパソコンやオフィスワークについては
基本社会人になってから勉強しましたが、
秘書検定の2級は、高校時代からの友人が一緒に受験しないかと
声をかけてくれたこともあり、学生のうちに取得しました。

また、私の場合は会社の上司から、入社前に
普通運転免許の取得が業界で仕事をする上での必須条件だと
言うことも言われたため、運転免許も取得しました。

運転免許については業界で仕事をする上でのやる気の証明の事例ですが、
資格を持っていれば、どの世界でも生きていけるように
これだけの努力をしたと言う証明になりますし、
企業も、この学生は音楽だけではないのだなと
評価する材料のひとつとして考えることでしょう。

先程の一般大学生のAさんと音大生のBさんですが、
今度はBさんが学校のカリキュラムとは別で
資格を取得していた場合で見てみましょう。


先程とは異なり、企業の担当者は
「Bさんがコンクールで優勝するほど音楽も頑張った上で
就職活動をするために、自ら進んで簿記検定の資格を取得した」

と、コンクールで優勝したことも、
資格を取得したことも、自ら進んでやる気のある学生だと
評価しています。
更には、音楽とは関連の薄い自社の仕事をしながらでも
音楽を続けてほしいと言うエールも送っています。

それでは、資格を取得した場合のBさんの
企業から見た評価がどのように変わるのかを
棒グラフで見てみましょう。

一般企業が求めるスキルを身に着けたBさんの能力値は
140の手前まで上がっています。

このようなタイプの学生であれば、
音楽も、音楽以外のこともどちらも在学中に
頑張ってきたと評価してもらえるのです。
3回めで書きましたカトパンさんなどは、まさにこっちのタイプで
企業から評価された事例でしょう。

企業は、音大生ではなく一般大学の学生を使いたい
と言うことではありません。ですが、
音大と言う、音楽を専門的に学ぶ機関に入学した人が
本当に一般大学の学生と同等の一般教養を持っているのか?と
どうしても不安に感じてしまうことを、
音大生の学生自らも、企業担当者の気持ちを理解してあげてほしいです。

採用するからには、会社は長く働いてほしいと願うものです。
そして、消去法でエントリーをした学生よりも、
自社の仕事に興味関心を示し、働く意欲を持った学生を
企業は採用したいと思います。

そうした中で就活競争に勝ち抜くためには、


音楽を諦めたから一般企業を目指した訳ではない

と採用担当者を納得させられるだけの
プレゼンが出来るようになってください。

そうすればきっと、あなたがその仕事に懸けたいと思う情熱は
企業の担当者に伝わります。


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