皆様こんばんは!
Producing office SOLEIL杉山薫です。
なんとか年内に今回のテーマのColumnを完結出来そうです。
音楽系の学校へ行くメリットについて
まとめとして、どうすれば音楽系の仕事に就けるのか、
について書いて行きたいと思います。
前回までの記事はこちら
音楽系の学校へ行くメリットとは①
音楽系の学校へ行くメリットとは②
音楽系の学校へ行くメリットとは③
音楽系の学校へ行くメリットとは④
音大生のスキルを評価してくれる企業へ就職する
それが就職決定への1番の近道
結論、これです。
前回のColumnでは、音大生が一般企業への就職を
考えるようになった場合は、一刻も早く
一般大学の学生と同等のスキルを身につけるよう
書きましたが、だったら何も敢えて二足のわらじを
履くのではなく、最初から大学で教育しているカリキュラム内容を
評価対象としてくれる企業に就職すれば良いでしょ?
と言うことです。
そんなの分かってる、分かってるけど
そう言う企業に就職エントリーしても採用してくれないから
他業種の仕事を探さざるを得ないんです
こんな声が聞こえてきそうですが、だからこそ私は
他の音大の出身者含め、後輩の皆さんに言います。
音大生が大学で学んで来たことを必要としている企業は
世の中にたくさんあるのに、あなた達がその会社まで
たどり着く前に音楽の仕事に就くのを諦めているだけだよ、と。
第4回で使用した棒グラフをもう一度見てみましょう。
第4回で例にした企業は一般企業でしたので
音大生が身につけた音楽スキルはそもそも求めていませんでしたが、
今度の企業は、募集要項の中に音楽スキルを求めていますので
音大生は、特別二足のわらじを履かなくても
企業の条件を満たしていることになります。
そして、このような能力を求めている会社は
そもそも一般大学の学生は就活にエントリーしていない
と言うことを気づいていただきたいです。
勿論、こうした、
音大生が身につけてきた能力50を
そのまま評価対象としてくれるような企業が
音大生の皆さんがよくエントリーする
音楽教室や楽器店の販売職ですので
こうした会社にエントリーすると言う作業は
すでにされていらっしゃることでしょう。
私が皆さんに伝えたいことは、この先です。
能力値50を評価してくれる企業が不採用なら
40、30でも音楽スキルを求めている企業を探せ
音大生が音楽の仕事に就く確率を上げる最大のコツであり、
音大生が高い学費を払って音大に行くのに
音楽の仕事に就ける人がごく一部しか居ない最大の理由が、これです。
大抵の音大生は演奏家が無理なら教職か、音楽教室、楽器店販売、楽譜出版社
(管弦の人はオケ団員含む)のいずれかに就職出来ないと
音楽でお金を生み出すことを諦めるか、
音楽とは全く関係の無い仕事をしながら独立を目指す道に進んでしまいますが、
世の中には、音大生の最大の強みである楽譜スキルを必要とする仕事が
他にもあります。
能力値50をそのまま求められないまでも、
40、30なら求めてくれる企業を探した方がよっぽど就活の近道なのです。
クラシック以外でも、音楽はたくさんあります。
ポップスや演歌、ジャズのお仕事も世の中にはたくさん存在します。
「音楽」が本当に好きなら、クラシック以外のジャンルでも
良いではないですか?
あくまでクラシック音楽にこだわるのなら、
クラシック音楽の演奏家のマネジメントをしている会社もあります。
いずれの業種でも、楽譜が読める、書けると言ったスキルは歓迎されます。
(ただしクラシック以外のジャンルへ進むのであれば
和声学だけでなくコードネームについては
最低限読み書き出来るようになってください。)
会社概要だけに惑わされるな。企業は会社概要に
書いていない業務もたくさん行っている。
音楽業界への就職を決めるにあたり重要なポイントとして
ひとつは正社員へのこだわりを捨てることが挙げられますが
これは、一般企業で正社員採用を受けたとしても
試用期間があるのと同じです。最初はバイトでも構わないので、
とにかく業界の中になじむことが必要ですが、
私がここ何年か、音楽業界を諦めた人、音楽の道を断念した人を見て
感じることは
企業の会社概要に書かれていることしか
業務内容を見られていない
と言うことです。
どう言うことでしょうか。
極端な話、ロックコンサートの制作をしている会社でも
時と場合によってはクラシック案件を行いますよ、と言うことです。
企業の会社概要に記載されていることとは、
”その会社が主として扱っている業務”です。
ですが、当然メイン枠とは異なる事業も
会社を運営していく中では扱う訳ですから
コンサート制作をどうしてもやりたいと思うのなら、
こだわるべきは、どんなジャンルであっても
コンサート制作に携わる環境に身を置くことが大事なのです。
よく見る事例として、
コンサートの企画制作がやりたいと言って
業界にエントリーするものの、制作会社だけにエントリーをして
全滅したらそこで音楽の道を諦めてしまうパターンです。
コンサート業界についての記事でも触れましたが
(※まだ読んでいない方はぜひ
コンサート業界について①から読んでみてください)
特に最近は業界全体がひとつになってきているので
プロダクションやイベンターの会社が主催するコンサートも
よく見られるようになっています。
また、就活当初で第1希望の職種に就けなかったとしても
入った会社で真面目に業務に取り組み、
私はこう言うことがやりたいと言い続ければ
そうしたあなたの情熱を評価してくれる企業が現れるかもしれません。
ですが、新卒の時点で音楽を仕事にする道を諦めてしまうと
以降音楽を仕事にしたいと思っても、ハードルは
あなたが考えている何倍も厳しくなってしまうのです。
これは全ての職種に言えることですが、
仕事は現状維持をするだけでも大変で、気がつけば
キャリアダウンしていることも少なくありません。
世の中転職をしている人の大半は、
前職と同等か、前職以下の待遇で働いていることの方が多いのです。
そんな中キャリアアップする、ヘッドハンティングをされると言うのは
とても険しい道のりだと言うことを覚えておいてください。
話を戻しますが、
皆さんが就活をする際、企業のホームページに出ているような求人
と言うのは、同じ業界の職種の中でも難関な職種です。
ですが、とりわけ20代であればまだ融通がきくので
戦力としてほしいと思ってくれる企業は多数ありますし、
どうしてもそこの会社に入りたくて、でも、求人が出ていないのなら
新卒採用をしていないのか、問い合わせてみれば良いではないですか。
音楽業界で働いている人に総じて言えることは
皆、熱くて、やる気のある人、行動力のある人が好き
と言うことです。
そして、音楽系の学校に行くと言うことは
それだけでも一般の人よりも音楽について学び、
音楽の仕事に就けるチャンスを上げられる環境に居る訳ですから
是非そのチャンスを掴んでください。
音楽が好きな人であれば、何よりも好きな音楽をして
ご飯を食べていけることは、この上ない幸せです。
この記事を読んでくださった1人でも多くの人が
音楽に関係する仕事に就けることを願ってやみません。
それでは、2018年も残りあとわずかですが
皆様にとって素敵な時間となることを願っております。