皆様こんにちは。Producing office SOLEIL杉山薫です。
SNSを正しく使うためのcolumn、第2回を書きたいと思います。
前回のcolumnはこちら
SNS使用時にタレントが持つべき知識①
SNSでバズることが難しい理由、仕組み
前回のcolumnで誰もが全世界に発信出来ることと、誰もが簡単にバズれることは
イコールではないとお伝えしましたが、具体的な理由を考えてみましょう。
一般的に、よく見るインフルエンサーのランクを示す図は上の図の左側にあるような
ピラミッド型のものです。ですが、実際のところは右の図のような形です。
そもそも中心の位置にいないことには
いくら投稿回数を増やしたり流行りのハッシュタグをつけて投稿しても、
トップインフルエンサーの域には行くことが出来ないのです。
これが、アカウントを作って全世界に発信することは出来ても
誰もが簡単にバズれる訳ではない理由です。
ですが、バズることは出来ないポジションにいるユーザーでも
トップインフルエンサーの発信を見たり、トップインフルエンサー本人が見れる形で
コメントすることは出来るのです。
この、バズらせることは一部の人しか出来ないけども
バズらせた人の投稿はバズれない人でも、誰でもダイレクトにアクセス出来る仕組みが
よくない方向に作用してしまった時に起こるのが、炎上で、誹謗中傷です。
私が過去経験した炎上
もう10年以上前の話になりますが、
実は私も一瞬だけ某掲示板の中で炎上させてしまったことがあります。
今でも当時のことは思い出せます。
当時使っていた媒体はブログでしたが
私自身の中で「自分の過去、経歴を事実のまま書きたい」と言う気持ちが強くなり
現在に至るまでのことを、包み隠さず、ありのまま 書きました。
私がそう決めた理由は、主に2つありました。
ひとつは事実をそのまま書いても他人に非難されないだけ努力したと思ったこと
もうひとつは、
書いたところでそんなにたくさんの人が見る訳がない と思ったためです。
私の身に起きたことをそのまま書こうと決め、カミングアウトした翌日か、
その翌々日だったか。
それまで平均100も行かなかったアクセスが2,000以上に跳ね上がっていました。
数字を見た時は嬉しかったですが、それも一瞬でした。
程なくして、当時アメブロで会話をしていた人からDMをいただき
杉山さんのブログが掲示板で叩かれている、と。
理由を聞いたところ、ざっくり以下のことでした。
私は事実を書いても他人に非難されないだけ努力した、と思ったことが
私のことを一切知らない人からすると、努力して掴んだ結果が妬みの対象であった、と。
また、その人は本当に親切で、私のことを思ってこう言ってくれました
「自分は偶然掲示板を見ていたが、とても杉山さんに見せられる内容ではない、
見ない方がいい」
”見ない方がいい”
この一言で、私にどんな言葉が向けられていたのか、大方想像はつきました。
悲しいというか、怖かったです。
それまでアクセス100も行かなかった私のブログをどこから見つけてきたのだろう
ということと、
芸能人でもない、見ず知らずの人に対して放送禁止用語や差別用語を平気で書き込める
と言う人たちの感覚が。
やっぱりこれはインターネット上に出してはいけない情報だったのだ
そう思った私は、炎上した当日に、自分のブログを閉鎖しました。
不注意で余計な情報を書いたせいで周囲にも迷惑をかけてしまいましたし
さらに悲しかったのは、友人から、
「自分の知人が掲示板で見たであろう杉山さんの情報を話してきた」と言われたことです。
勿論それは事実ではないと否定したけどね、と言ってくれましたが
見ず知らずの人に悪口を言われることよりも、実際に私を知る人たちまで
誤解や差別に巻き込んでしまったことが辛かったし、
誰もを納得させるだけの力が無かった、私の力不足が悔しかったです。
こうした経験から、私はSNSについてはこのように考えています。
・事実を全てありのまま書きすぎてしまったり
カミングアウトする工程を間違えると、取り返しのつかない誤解を招くことがある
・インターネット検索をして見つけた、
道ですれ違ったことがあるかも分からないくらい知らない人たちに、
自分という人のことを一瞬で理解してもらうことなど不可能
ryuchellさんの件も、彼が女性化していく様子を
私もネットニュースでは目にしていましたが、なぜ、彼が女性になりたいと
思うようになったのか、その経緯について書かれた記事は、殆ど記憶にありません。
・pecoさんと離婚した
・女っぽいインスタの写真がネットニュースになるようになった
・日に日に女度が増した写真になっている
特別ファンではなかった私の中で印象に残っているのはこのくらいです。
強いて言うなら、あまりにも女度が増してきた写真を目にするようになったころは
需要と供給が成立していない、アンチコメントが多くても女をしたいなら
インスタに載せるのではなく、私達の目に入らない形でした方がよいのでは、と
思ったことはあります。(私が自分の原点をカミングアウトしたら叩かれた経験から)
「情報はこの目で見て確かめるもの」
コンサート制作会社時代に教わった、今でも座右の銘で
このサイトでのprofileにも記載している言葉ですが、本当に昨日一昨日でも
やはりこの言葉と、経緯を知ることの大切さを実感した出来事がありましたので
少し紹介したいと思います。
直接知り合えない著名人でも、深掘りすれば分かることもある
今年横浜DeNAベイスターズに加入したバウアー投手。
入団会見から世間が大騒ぎになり、私もそこからバウアー投手のことを知りました。
You Tubeやオールスターでの盛り上がりで、大谷くんとは違うタイプの選手ですが
すっかりファンになりました。
熱いし、何より日本のプロ野球、日本滞在を心から楽しんでくれている。
MLBで本当は投げたかっただろうけども、それが叶わずやむを得ず来た日本でも
前向きに頑張ってくれて、日本のプロ野球発展のために尽力してくれてる。。。
そこそこ記事も、You Tubeも見た上での感想が上記だったのですが
何かで「バウアー 2019年」と言うワードが出てきて。
なんとバウアー投手は子供のころから野茂英雄投手を見て育って
10年以上前から、いつか日本でもプレイしたいと、ずっと思ってらっしゃったとのこと。
【参考】
この記事を書いた記者の方は、今起きていることに対してどう思われているでしょうか。
まさか4年も経たないうちに本当に実現するなんて、驚いていることでしょう。
私が思っていた、「本当はMLBに一日でも早く戻りたいだろうに」と言うのは
断片的な情報をつなぎ合わせて出した考えであって、バウアー投手はこの機会で
ご自身の夢のひとつを叶えた訳ですよね。なんでこの人こんなにニコニコしながら、
言ってしまえば”浪人生活”を楽しんでいるのだろうかと思いましたが、
MLBでブランクが出来てしまった→それなら日本のプロ野球をやりたかった夢を叶えよう
この発想は本当にすごいと思います。
こうして、実際に対面で会話が出来る間柄ではなくても
経緯を深掘りしていく中で解ける誤解もあります。
10年前の私も、もしかしたら経緯をきちんと伝えることが出来れば
掲示板に書き込みをした人たちの誤解も解けたのかもしれません。
ですが現実的に、会ったことも、話をしたことも無い人達、ましてや断片的な情報でしか
私を知らないのに、誹謗中傷に値するような言葉を書き込めてしまう人たちの
誤解を解くことに割く労力が本当に割に合った行動と言えるのかどうかを、
次の回で書こうと思います。
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SNS使用時にタレントが持つべき知識③